4・5・6年生の科学実験の進め方の項目
科学実験を用いた作文練習
一般的にはあまり認知されていませんが、科学実験(理系)において作文能力(文系)は必須となります。
なぜならば、実験結果や考察を100人に読んでもらったら、その100人が同じ解釈ができるような文章を書かなくてはいけないからです。
よって、科学実験を行うにあたって作文が得意に越したことはありません。
しかし、いろんな子どもたちに聞いてみたところ、ほとんどの子が作文を書くことが苦手だと感じているようです。
なぜ子どもたちは作文を苦手としているのはどうしてでしょうか。その理由を聞いてみると「何を書いたらよいのかわからない。」という意見がほとんどでした。
そういった理由で作文が苦手であるということであれば、科学実験は非常に作文に向いていると言えます。なぜならば、今まさに目の前の出来事を自分がとらえたままに表現すればよく「何を書いたらよいのかわからない。」という状況にはなりにくいからです。
例えば、「水の色が変わった!」「黒い煙から白い煙に煙の色が変わった!」など。目の前のことに集中すればよいのです。
このようにサイエンスデイズでは、科学実験を題材に作文を書く練習をすることで、作文の苦手意識を払拭する取り組みをおこなっております。
さて作文を書くことに慣れてきたら、100人いても100人に同じ解釈されるような作文を書くための次のステップとして
- 抽象的表現から具体的表現へ
- 定性的表現から数量的表現へ
- 主語と目的語がはっきりしている文章
を目指します。
1.抽象的表現から具体的表現へ
抽象的表現や具体的表現と言われても分かりづらいかと思います。そこで「カッターを使うときに注意するべきことは?」という問題について考えてみましょう。
本来であれば「カッターの刃を出しすぎないようにする。」「ものを押さえる手をカッターから少し離しておく。」など具体的な案を書いていただきたいところです。
しかし実際には「カッターを使うときに、怪我をしないように注意する。」など質問文を言い換えただけの、抽象的な回答を多くの子どもたちがしてしまいます。
この状態から具体的なことが書けるようになるために、サイエンスデイズでは作文に力を入れるのではなくまずは子どもたちにいろんな経験をしてもらうところから始めます。
先に挙げたカッターの使用も経験のひとつとなります。そしてその経験を題材にした作文テーマ「カッターを使うときに注意するべきことは?」を提示します。
経験したことであれば具体的にどのようなことに注意をすればよいのかわかってきますので、無理なく具体的表現を書くことができます。
以上のようにサイクルで作文の作成を繰り返してもらい、抽象的表現になりがちな作文から少しずつより具体的表現ができている作文を書ける授業を進めていきます。
2.定性的表現(抽象)から定量的表現(定量)へ
先ほどのカッターを使用するときの事例を用いて、抽象と具体の違いについて説明をしました。
ここからは科学実験における抽象的表現と具体的表現、つまり定性的表現と定量的表現の違いについて説明をしていきます。
例えば「水が熱い」もしくは「水が冷たい」と表現するのは定性的表現(抽象的表現)。「水温が10℃」もしくは「水温が90℃」と表現するのは定量的表現(具体的表現)となります。
一方で「水温は10℃である」と定量的表現で伝えることで、実験結果を一意に伝えることができます。このように実験結果を誤解なく相手に伝えるためには、定量的に表現するということが大切になってきます。
当然、定量的表現をすぐに身つけることはできないので、いろんな科学実験の事例を用いながら少しずつできるように授業を進めていきます。
3.主語と目的語がはっきりした文章
紹介してきた具体的・定量的表現ですが、それだけでは実験結果などを正確に伝えることはできません。
具体的・定量的表現もたしかに大切ではあるのですが、あくまでも表現のひとつでしかなく、文章そのものがわかりやすくなければ、いくらそれらの表現ができたとしても自分の考えを相手に伝えることはできません。
例えば「時速15kmしか出ておらず遅い」という文章があったとしましょう。みなさんはこの文章を読んでどのように考えたでしょうか。
確かに時速15kmしか出ていないわけですから遅いように感じますし、先ほどの定量的表現がしっかりと出来ているので、これは文章として正しいような気がします。
しかしよく考えてみると、この文章には主語が無いため、何が時速15kmなのかさっぱりわかりません。
例えばこれが車の時速が15kmならば遅いと感じますが、もしマラソン走者の時速ならばどうでしょうか。遅いどころか、かなり速い部類となります。
このように表現自体は正しくても主語が変わるだけで、文章そのものの意味は大きく異なってきます。これでは相手に正しく実験結果などを正確に伝えることができません。
主語・目的語抜けがない作文が書けるようになるためには具体的・定量的表現の違いそれなりの作文作成を練習する必要があります。
サイエンスデイズでは各単元の内容にあった作文の作成を行い、その都度作文の添削をすることによって主語・目的語向けの作文から脱却を目指します。
研究発表の場に立つ
以上紹介してきたように、サイエンスデイズでは実験の現象を正確にとらえ、そしてその現象や現象に対する考えを作文にすることで、子どもたちの理系的能力(科学実験)と文系的能力(作文能力)の両方の向上を目指しております。
あとは本当に理系的能力(科学実験)と文系的能力(作文能力)の両方が本当に成長しているのかを確認する必要があります。
サイエンスデイズではその確認の場・研究発表の場として
- 浜松プレゼンテーションコンテストへの参加
- 自由研究の発表会の開催
をしております。
1.浜松プレゼンテーションへの出場
授業で行う実験は作業内容の説明書を渡して、その説明書の通りに実験を行えばよいので、ある程度の道筋が見えており、実験そのものに集中することができます。
一方で浜松プレゼンテーションコンテスト用の研究は、道筋どころか先生も結果がよくわかっていないような研究テーマを取り扱っています。
そのような研究を子どもたちは限られた時間内ですすめなくてはいけないためかなり困難です。
限られた時間しかないわけですから、闇雲に実験を行うのではなくしっかりとした実験計画を立案して、その計画に沿って進めていく必要があります。
ただしその実験計画も順調に進むことはまずありません。途中で計画の修正も必要になることでしょう。
さて実際に研究を進めていくだけでも大変ですが、さらにその研究内容を発表しなければなりません。
しかも発表内容を審査してくださるのは大学の先生で全く知らない大人の方々です。
そういった大人に対して自分たちが行ってきた実験内容をまさにゼロから結論まで説明するのは、それなりの大変さがあります。
その大変さにめげずに、これまでに培ってきた作文能力を十分に発揮していただき、先生方に対して自分たちが行ってきた研究内容をしっかりと説明をしていきます。
2.これまでの実績!
これまでに
グループ研究優秀賞・株式会社丸八奨励賞(第7回 2022年度
浜松科学館館長賞・グループ研究優秀賞・ヤマハ賞(第6回 2021年度
浜松医科大学長賞(第5回 2020年度
を受賞させていただきました!
3.自由研究の発表会
サイエンスデイズでは毎年2月頃に、夏に行ってもらっている自由研究の発表会を行っております。
浜松プレゼンテーションコンテストとは違い、審査者が同じサイエンスデイズ内の子どもたちとその保護者となるため、身内が多くなりどこかで甘えが生じてしまいます。
その甘えが出ないように、発表会では10個の評価項目を作り発表内容に点数をつけて評価をしております。
ひとつ付け加えておきたいのは、この発表会は研究そのものに優劣をつけてはいません。審査項目は例えば大きな声で発表できていたか、わかりやすいまとめ方をしていたかなど
発表の表現方法に比重をおいております。
時間割
2023年度の4・5・6年生の時間割は以下のようになります。
なお授業の回数は週1回で月4回となります。
4年生 | 水・金曜日 17:45~19:15 |
5年生 | 月・木曜日 17:45~19:25 |
6年生 | 火曜日 17:45~19:25 |
まずは無料体験の申し込みを!
興味はあるけど「本当に子どもにあっているのかしら?」と不安に思う方もいらっしゃることでしょう。
そんな不安をお持ちのみなさまに、サイエンスデイズでは1か月間の無料体験期間を設けております。
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