葉脈のしおりづくりとは?
「葉っぱの葉脈だけを残すって、どうやるの?」
葉脈のしおりづくりとは、アルカリ性の液体を加熱しながら葉っぱの葉肉部分だけを溶かし、丈夫な葉脈のみを取り出す実験です。
葉っぱを透かして見たときに浮かび上がる細かな網目——それが葉脈です。葉肉に覆われているため普段は目立ちませんが、アルカリ性の液体で葉肉を溶かすと、葉脈だけが残ります。この仕組みは、みかんの薄皮を溶かす実験で学んだ「アルカリ性の液体がたんぱく質を溶かす」という性質とまったく同じです。
浜松市の理科実験教室サイエンスデイズでは、みかんで身につけた知識を「葉っぱでも使えるか?」という問いに当てはめる応用実験として、この葉脈のしおりづくりを位置づけています。
実験のめあて
サイエンスデイズがこの実験を取り入れているのは、「同じ仕組みが、別の場面でも使える」という実感を持ってほしいからです。
みかんの薄皮を溶かす実験では、アルカリ性の液体がたんぱく質を溶かす性質を学びました。葉脈のしおりづくりでは、まったく同じ性質を使いながら、題材が葉っぱに変わります。「みかんのときと同じアルカリ性を使えばいいんだ」と自分で気づき、条件を考えながら手を動かす——その一連の流れが、学んだことを次の場面で使うという体験です。
ただし、葉っぱの葉肉はみかんの薄皮よりも厚みがあるため、より高い温度と高めのpHで処理する必要があります。「同じ仕組みでも、条件を変えなければうまくいかない」という経験を通じて、知識をそのまま当てはめるだけでなく、状況に応じて考え直す姿勢を育てることをめあてとしています。
この実験で育つ力
みかんで学んだことが葉っぱでも通用すると気づいたとき、子どもたちの中で「この仕組みは他でも使えるかもしれない」という視点が生まれます。一つの知識が複数の場面で使えると実感したとき、子どもたちの「見方」が変わります。これは、一つの実験を単体で終わらせず、シリーズとして積み重ねることで初めて生まれる変化です。
また、30分間の加熱作業では、温度計を見ながら火加減を小刻みに調整し続ける必要があります。少し目を離すと温度が下がりすぎたり、上がりすぎたりするため、「ずっと見ていなければならない」という緊張感が続きます。すぐに結果が出ない作業を最後まで続けるという経験の中で、持続して取り組む力が引き出されます。
そして加熱を終えた葉っぱを歯ブラシでやさしくこすったとき、葉肉がはがれて葉脈だけが現れる瞬間——30分間がんばった集中が報われる瞬間です。「科学の力が手の中で実感できた」という達成感は、次の実験への意欲につながっていきます。
実験の流れ
この実験は、液体の性質シリーズの締めくくりとなる応用実験です。紫キャベツの色素で酸性・アルカリ性を確かめ、みかんの薄皮溶かしでその性質を応用するという流れを経て、今度は葉っぱという新しい題材に同じ仕組みを当てはめます。
まずアルカリ性の液体を加熱しながら葉っぱを浸し、葉肉が溶けるまで30分間温度を管理します。取り出した葉っぱを歯ブラシでやさしくこすると、葉肉がはがれて葉脈だけが残ります。最後に色付けや台紙への貼り付けを行い、しおりとして仕上げます。
みかんの実験と比較しながら「なぜ条件を変える必要があるのか」を考えることで、同じ仕組みでも題材によって扱い方が変わることを実感していきます。
学校の学習との繋がり
この実験は、小学校6年生「水溶液の性質」および「植物のつくりとはたらき」の両方の単元とつながります。化学的な処理によって植物の構造を観察するという体験は、理科の異なる領域が実際の場面で交わることを示しています。
また、葉脈は植物が水や養分を運ぶための管束です。しおりとして手元に残った葉脈を見るたびに、植物が生きるための仕組みを目で確認した記憶がよみがえります。中学校では「植物の体のつくりと働き」の単元へとつながり、より詳しく学ぶ土台になります。
もっと詳しく知りたい方へ
「なぜアルカリ性の液体で葉肉だけが溶けるの?」という科学的な仕組みを詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています。
→ 【作成予定】葉脈のしおりはなぜできるの?アルカリ性と植物の仕組みをわかりやすく解説
また、この実験の前に取り組む関連実験もあわせてご覧ください。
→ 液体の性質を調べる実験|酸性・アルカリ性を「自分の目で確かめる」力を育てる
→ みかんの薄皮を溶かす実験|酸性・アルカリ性を「使いこなす」体験で学ぶ
実際の授業の様子
サイエンスデイズでは、この実験を継続的に実施しています。実際の授業風景や子どもたちの反応をご覧ください。
体験授業のご案内
「実際に体験してみたい」という方は、ぜひ体験授業にお越しください。お子さまの学年や興味に合わせて、最適なクラスをご案内します。



