理科実験教室を運営していると、「うちの子、科学者になりたいと言っているんです」と相談されることがあります。「理科や算数が好きなので、そういった道に進んでほしい」という保護者の声を聞くこともあります。
子どもが将来の夢を話してくれるのは、うれしいことです。一方で、「今から何をしてあげればよいのだろう」と考える方もいるのではないでしょうか。
そのとき、私がまず考えてもらいたいのは、「その子は、どんなことを知りたいのだろう」ということです。科学者という夢を受け止めながら、その子自身の疑問を見つけ、追いかけられるように支える。この記事では、その考えと、親にできる3つのサポートをお伝えします。
「科学者になりたい」という夢を受け止める
「科学者になりたい」と聞くと、大学の先生や、白衣を着て研究室で実験している人を思い浮かべるかもしれません。その姿から、「難しい仕事だけれど、うちの子にできるだろうか」と心配になることもあるでしょう。
ただ、今すぐ将来の職業として実現できるかを判断する必要はないと思っています。まずは、そうなりたいと思った気持ちを受け止めたいところです。
どんなところに憧れているのか、何をやってみたいのか。話してみると、実験をする姿が楽しそうだったり、宇宙や生き物についてもっと知りたかったりと、その子が気になっていることが見えてくるかもしれません。
そこから、子どもが今取り組めることを一緒に考えられます。
見つけてほしいのは、自分で調べたい疑問
科学者の仕事の中心にあるのは、まだ分かっていないことを、観察や実験、データなどを手がかりに明らかにしていくことです。
理科や算数が得意なことは、その道を考えるきっかけになります。研究を進めるうえでも、知識や学ぶ力は大切です。そこに加えて、私は「自分は何を知りたいのか」という疑問を見つけてほしいと思っています。
問題が解けることと、自分で調べたい疑問を持つことは、少し違います。習った方法を使って答えを出す楽しさから、「条件が変わっても同じ結果になるのかな」「どうしてこの方法で解けるのかな」と、自分の問いが生まれることもあります。
探究の対象は、理科や算数で扱うことに限りません。例えば、「日本語と英語では、どうして文法が違うのだろう」と気になる子もいるでしょう。実際の文章を集め、共通点や違いを比べながら調べるなど、言葉についても探究することができます。
もちろん、気になったことを調べれば、そのまま職業としての科学者になれるわけではありません。専門的な研究には、知識や技術を身につけ、調べた結果を他の人にも確かめてもらえる形で示すことが必要です。
けれど、その入り口に立つことは、子どもの今からでもできます。初めから大きな研究テーマを見つける必要はありません。「これ、どうなっているんだろう」という小さな疑問を、調べたり、実際に試したりすることから始められます。
では、そうした疑問を見つけ、追いかけるために、親はどのようなサポートができるでしょうか。
その疑問を支える、親にできる3つのこと
① 興味のあるものに触れる機会を作る
子どもが何を知りたいのか、まだはっきりしていないこともあります。そういうときは、興味のあるものに触れる機会を作ってみます。
科学館、天文台、自然観察など、本人が行ってみたい場所を一緒に選ぶのも一つの方法です。身近な公園を歩いたり、図書館で気になる本を探したりすることもできます。
そのとき、展示をすべて見たり、説明を全部覚えたりすることを目標にしなくてもよいと思います。何に足を止めるのか、何を繰り返し見たがるのか。その子が気にしていることに目を向けてみます。
「これ、おもしろいね」「もう少し見てみようか」。一緒に過ごす中で、気になったことを話せる時間があれば、次に調べてみたいことを見つける手がかりになります。
② 気になったことを調べ、確かめる時間を支える
気になることが見つかったら、それを調べたり、確かめたりする時間を用意します。親がすべての答えを知っている必要はありません。
図鑑で調べる、同じものを何度か観察する、条件を一つ変えて試すなど、疑問によって調べ方は変わります。「どこを見たら分かりそうかな」「比べてみたらどうなるかな」と、本人が取り組めそうな方法を一緒に考えてみます。
親がいつも質問を返したり、実験に発展させたりする必要もありません。説明を聞きたいときもあれば、自分で試したいときもあります。子どもが何をしたいのかに合わせて関われればよいと思っています。
すぐに答えが見つからなければ、気になったことや、観察して分かったことをメモに残しておく方法もあります。あとで戻れるようにしておくと、疑問をその場だけで終わらせずに済みます。
答えが分からないときの関わり方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
親が理科を苦手でも大丈夫?子どもの『なぜ?』への関わり方
理科が苦手で、子どもの『なぜ?』に答えられない。そんなときの会話例、一緒に調べる方法、忙しい日の対応を紹介します。親がすべてを教えなくても、疑問に付き合う方法はあります。
③ 予想と違った結果や、うまくいかなかった経験を受け止める
調べたり試したりすると、思っていた答えが見つからなかったり、実験がうまくいかなかったりすることもあります。
そうしたときに、すぐに「間違っている」「やり方が悪い」と結論を出さず、何が起きたのかを一緒に見てみます。予想と違う結果が出たのか、道具や手順のどこかでつまずいたのかによって、次に確かめることも変わります。
本人が続けたがっていれば、「もう一度見るなら、どこを見ようか」と考えることもできます。ただ、悔しくて話したくないときに、その場で振り返りを求めなくてもよいと思います。落ち着いて、また取り組みたくなったときに戻ればよいのです。
親がその場で答えを出したり、すべてを成功させたりすることより、子どもが自分の疑問に取り組めるように支えることを大切にしたいと思っています。
もっと取り組みたくなったら、学べる環境を探す
こうした経験を重ねる中で、「もっと実験したい」「自分で調べることを続けたい」という気持ちが出てくるかもしれません。そのときは、家庭で取り組むことに加えて、道具や指導のある場所を探すこともできます。
習い事を選ぶなら、どんなことに取り組めるのか、道具の使い方や調べ方を教わりながら自分で試せるのかを、授業内容や体験で確かめてみます。本人が興味を持って続けられそうかも、一緒に考えたいところです。
サイエンスデイズでは、実験器具を使って観察や実験に取り組み、自分で確かめる経験を大切にしています。浜松市で理科実験教室を探している方は、学年に合うクラスの内容をご覧ください。
小学1〜3年生の理科実験クラス|浜松市の習い事
浜松市中央区の理科実験教室サイエンスデイズの小学1〜3年生クラス。週1回60分、小1・小2は1クラス6名まで。手順書を読みながら自分の手で実験し、終わったら気づいたことを自分の言葉で表します。月謝11,000円(材料費・保険料込み)。無料体験は保護者の見学もできます。
小学4〜6年生の理科実験・研究クラス|浜松市の習い事
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よくある質問
子どもが科学者になりたいと言ったら、何歳からサポートを始めればいいですか?
本人が「知りたい」「やってみたい」と感じたときから、その興味に合わせて関われます。初めから専門的な勉強を始める必要はありません。まずは、何が気になっているのかを聞いたり、一緒に見たりするところから始められます。
親が理系でなくても、子どもの科学への興味をサポートできますか?
できます。答えをすべて知っている必要はありません。図鑑を探す、観察できる場所を用意するなど、子どもが調べたいことに取り組めるように支える方法があります。
科学館にはどのくらいの頻度で行けばいいですか?
頻度にこだわる必要はありません。本人が興味を持った展示やイベントをきっかけに、行けるときに出かければよいと思います。身近な場所での観察や、図書館で本を探すことも選択肢です。
科学が好きな子どもの習い事は何を選べばいいですか?
本人が何に取り組みたいかを出発点に、授業内容を見てみます。道具の使い方や調べ方を教わりながら自分で試せるか、興味を持って続けられそうかを、体験などで確認すると選びやすくなります。
科学者という夢と、その子自身の「知りたい」を大切に
「科学者になりたい」という夢を受け止めながら、私は子どもたちに、自分で調べてみたい疑問を見つけてほしいと思っています。
理科や算数が好きなこと、問題が解けるのが楽しいこと。その気持ちから、さらに何が気になるのか、もっと知りたいことは何なのか。親は、興味のあるものに触れる機会や、調べて試せる時間を用意し、うまくいかなかったときも本人の取り組みを支えられます。
将来の夢を大切にしながら、今の小さな疑問を追いかけていく。その子自身の「もっと知りたい」が、次に取り組むことを見つけるきっかけになればと思っています。
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