浜松市の理科自由研究作品展で、子どもたちが見つけた「良い研究」の見方

2026年度2学期冒頭、みなさんは「理科自由研究」を提出しましたか?

「理科自由研究」を書き上げるのはかなりハードルが高いこともありますし、また最近は宿題ではなく自由課題になったこともあって、取り組んでいる人が以前より少し減っていると聞いております。

そんな、書き上げるのがとても難しい理科自由研究を集めた「理科自由研究作品展」が、毎年浜松科学館で開かれています。

今年はサイエンスデイズに所属する小学3〜6年生の希望者6名と、作品展を見学してきました。たくさんの研究を前に、子どもたちがどのような反応を示したのか、その活動レポートとなります。

またその子どもたちの反応から、ご家庭でも取り入れられる作品展の見方を紹介します。

理科自由研究作品展とは

「理科自由研究作品展」は、浜松市内の小中学生の理科の自由研究のうち、審査で金賞・銀賞・銅賞に選ばれた作品を展示する作品展です。浜松市教育研究会理科研究部と浜松科学館が主催しています。

2026年は、9月12日から16日まで浜松科学館で開かれました。作品展は無料で見学できて、どなたでも見ることができます。

浜松科学館の1階ホールに掲示された理科自由研究作品展の案内

どうして、わざわざ作品展へ見に行くの?

自由研究は、実験をするだけでなく、何を調べたのか、どんな結果になったのか、そこから何を考えたのかを伝えるところまで続きます。

「結果・考察・伝える」
この中で一番難しいのは意外と「伝える」部分であったりします。

自分の研究をまとめるとき、「どんな順番でまとめればいい?」「どう実験結果を並べたら正しく伝わるの?」などなど。研究内容そのものよりも、伝え方・まとめ方に苦労されているご家族が多くいます。

作品展では、ほかの小中学生が研究をどのようにまとめたのかを、実物で見ることができます。写真やグラフの使い方、結果と考察の分け方など、自分が気になっているところに目を向けてみると、次の研究に取り入れたい工夫を探せます。

しかし残念なことに、作品展が開かれるのは、夏休みの自由研究を提出したあとです。そのため、みなさんの自由研究にすぐに反映させることはできません。

今年の研究を振り返りながら、次の年に試したいことを見つける機会として、ご家庭で見に行ってみてください。

子どもたちが見つけたこと

最初は「どこを見ればいいか分からない」

会場に入った子どもたちから最初に出てきたのは、「どこを見ればいいか分からない」という言葉でした。会場には市内の小中学校の受賞作品が並んでいます。

確かに、これだけの研究が並んでいると、どこから見るか迷いますよね。

みんなで見終えたあとには、
「ひとつの何か調べるテーマを決めて見ればよかった」
こんな言葉が出ました。


この言葉は、作品展、もっと大きなくくりでいうと研究というものをどう見ればよかったかについての気づきです。「今日は何を見るか」「この研究ではここの部分から見てみよう」が決まっていれば、たくさんの作品の中でも、たくさんのページの研究でも注目するところを選びやすくなります。

自由研究を進めるときにも、調べたいことを一つに絞ると、何を比べ、何を記録すればよいかを考えやすくなりますよね。作品展を見るときの「どこを見るか」と、研究するときの「何を調べるか」。どちらも、最初に考えたい問いです。

ご家庭で作品展へ行くときは

ご家庭で出かけるときは、見る前と見終えたあとに、次のような会話をしてみてください。

行く前に、見るものを一つ決める

出かける前に、「どんなところを見ようかな」と一緒に考えておくとよいでしょう。たとえば「今回はまとめ方だけ見よう」「グラフの使い方だけ見よう」と決めてから会場に入ると、迷わずに見て回れます。

帰ってから、言葉にする時間をつくる

帰ってからは、気になった作品について、次の2つを聞いてみてください。

  • 「作品展で見た中で、一番よく覚えているのはどれ?」(低学年なら「一番おもしろかったのはどれ?」)
  • 「なんでそれを覚えてるの?」

覚えている理由を聞くと、どこに興味を持ったのか、どんな工夫が伝わったのかを話すきっかけになります。「すごかった」で終わったときも、「どの部分が?」と、もう一つ聞いてみるとよさそうです。

最後に「自分の研究でもやってみたいことはある?」と聞いてみてもよいでしょう。すぐに答えが出なくても、気になったことを一つメモしておけば、次の自由研究を考えるときに見返せます。

ただし、質問攻めにするのはやめましょう。自分の考えを言葉にするのが、まだ苦手な子も多いです。大人の感覚で続けて聞くのではなく、少し間をあけて、一つずつゆっくりと質問をするといいでしょう。

よくある質問

自由研究のテーマは、教室で決めてもらえますか?

テーマは、お子さま自身が決めます。教室が代わりに決めることはありません。

このように聞くと冷たいと感じるかもしれません。しかしそれには理由があります。

一番大きな理由は、他の人に決められたテーマはなかなか進めることができないからです。自分の普段の生活の中から、どのようなことに興味関心、疑問をもったのか。このスタートこそが自由研究においてはとても大切なのです。

もちろんどうしても決めきれないときは講師が一緒に考えますが、最後に決めるのはお子さま本人です。

小学4年生からは、テーマや目的の考え方を含めた自由研究の進め方を授業で学びます。詳しくは小学4〜6年生クラスをご覧ください。

作品展は誰でも見に行けますか?

はい。作品展の見学は無料で、どなたでも見られます。開催時期は年によって変わるため、浜松科学館の公式サイトなどで、その年の告知をご確認ください。

まとめ

2026年度、希望者6名と出かけた作品展見学の報告でした。見終えたあとに子どもたちが口にした気づきは、次に出かけるときの準備にも使えそうです。

見るものをひとつに決め、帰ってから気になった理由を話してみる。作品展で見つけた小さな工夫を、次の自由研究につなげてみてください。

サイエンスデイズは、浜松市中央区で年長から中学生を対象とした理科実験教室です。毎週の実験授業や、自由研究の進め方については、小学4〜6年生クラスのご案内をご覧ください。

自由研究の実験をどう進めるか、記録や結果の整理を詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

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この記事を書いた人

林田 亮のアバター 林田 亮 サイエンスデイズ代表

1984年浜松市生まれ。
静岡大学工学院工学研究科修了。大学院では、システム工学の立場から、人工衛星の軌道に関わるシミュレーションの研究に取り組んだ。
2012年にサイエンスデイズを創設し、年長から中学生までの子どもたちに理科実験と自由研究を教えている。

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