2026年9月6日、浜松聖星高等学校の理科室をお借りして、サイエンスデイズの参加者を対象としたアカミミガメ解剖実習を行いました。
今回は外部募集を行わず、小学2年生から6年生までの9名が参加しました。昆虫食倶楽部の夏目先生に全体を進行していただき、講師は株式会社 自然回復の三根先生が担当してくださいました。サイエンスデイズが主催し、参加者の募集と当日の運営を行いました。
実習の概要
- 開催日:2026年9月6日
- 会場:浜松聖星高等学校
- 参加者:小学2年生1名、3年生2名、4年生3名、6年生3名(合計9名)
- 主催:サイエンスデイズ
- 進行:昆虫食倶楽部・夏目先生
- 講師:株式会社 自然回復・三根先生
最初に「なぜ駆除する必要があるのか」を学ぶ
実習は、ミシシッピアカミミガメが外来種であることの説明から始まりました。身近な池や川で見かけるカメであっても、もともと日本にいた生き物ではありません。在来種と生息場所や食物をめぐって競合し、地域の生態系へ影響を与える可能性があります。
子どもたちは、「外来種だから悪い」と単純に捉えるのではなく、人が持ち込んだ生き物と自然環境の関係を知り、なぜ管理や駆除が必要になるのかを考えました。
アカミミガメは2023年6月1日から条件付特定外来生物に指定されています。現在飼育している個体はそのまま飼育できますが、野外へ放したり逃がしたりすることは禁止されています。詳しくは、環境省の案内をご覧ください。
講師の説明を受けて実習へ
解剖に入る前に、講師から器具の扱い方と観察するポイントについて説明がありました。参加者はグローブを着用し、周囲の大人やスタッフの見守りのもとで作業を進めました。
実習は体の一部分だけを見るのではなく、甲羅、骨格、内臓など、カメの体全体のつながりを確かめる内容です。子どもたちは講師の話を聞きながら、それぞれの役割を相談し、一つひとつの作業に向き合っていました。
学年を越えて一生懸命取り組む姿
参加したのは小学2年生から6年生までの子どもたちです。年齢や経験は異なりますが、どのグループも目の前のカメをよく見て、分からないところは講師や周囲の大人に確認しながら進めていました。
低学年の子どもにとっても決して簡単な内容ではありません。それでも、ただ見学するだけでなく、自分の手で確かめようとする姿が見られました。高学年の子どもが器具を支えたり、同じグループの子ども同士で声を掛け合ったりする場面もありました。
甲羅を外し、体の内側が見えた瞬間
特に印象的だったのは、甲羅を外して内臓が見えた場面です。外から見ていたカメの姿と、甲羅の内側に収まっている体のつくりがつながり、子どもたちの視線が一気に集まりました。
図鑑では平面的に見える器官も、実物では位置や大きさ、周囲とのつながりがあります。子どもたちは講師の説明を聞きながら、目の前で確認できる特徴を一生懸命観察していました。
参加者アンケートで寄せられた声
実習後に保護者へアンケートを行い、5件の回答が寄せられました。総合的な満足度は、5段階評価で5件すべてが「5」でした。以下では、匿名掲載への許可をいただいた回答から、当日の学びが伝わる声をご紹介します(回答の一部を抜粋し、読みやすいよう表記を整えています)。
参加前の不安を越えて、実物から学ぶ体験に
参加前には、「実物を見てショックを受けないか」「命を扱う場でふざけたり、気持ち悪いと言ったりしないか」と心配する声がありました。一方で、実習後には、子どもたちが落ち着いて観察し、貴重な経験として受け止めていたことが回答から分かりました。
匿名で寄せられた5件の声
匿名の保護者(回答1)・満足度5/5
解剖を初体験して、貴重な経験だったと思います。身体の仕組みを知ることができました。
匿名の保護者(回答2)・満足度5/5
最初はおっかなびっくりでしたが、お腹のからを外して、卵が見えた時に感動していました。カメの肺が背中の甲羅側にあると、参加していなかった父親に話していました。
匿名の保護者(回答3)・満足度5/5
腸を取り出すところに夢中になっていました。貴重な体験ができて満足していました。
匿名の保護者(回答4)・満足度5/5
親の心配をよそに、とても有意義な学びができたようです。カメと人では見た目も分類も違うのに、内臓のつくりがそっくりなのはなぜかと、しばらく気にしていました。
匿名の保護者(回答5)・満足度5/5
卵の元になるものがたくさんあったことや、臓器の周りにネットのような膜があることを、興味深そうに話していました。
夢中になった場面としては、甲羅を外して卵を見つけたとき、腸を取り出したとき、内臓を覆う薄い膜を丁寧にはがしたとき、気管から空気を送り肺が膨らむ様子を確かめたときなどが挙げられました。同じ実習でも、子どもによって心を動かされた部分が異なっていたことが印象的です。
家庭でも続いた観察と問い
実習で知ったことを、帰宅後に家族へ説明した子どももいました。カメの肺が甲羅に近い背中側にあることや、心臓のつくり、人とカメの内臓の共通点など、実物を見たからこそ残った気づきが語られています。
観察して終わるのではなく、新しい疑問が生まれ、家族との会話やその後の探究につながったことは、今回の実習で得られた大切な成果の一つです。
次回へ生かしたいこと
「気管から肺へ空気を送る観察を、気管を切り出す前に知りたかった」という具体的な意見も寄せられました。次回は、作業を始める前に観察できる現象と手順全体を共有し、途中で失われる可能性がある観察ポイントを先に伝えられるよう改善します。
また、カメの成長や産卵、甲羅の硬さ、年齢の推定方法、日本に生息するカメの種類、アカミミガメとの体の違いについて知りたいという声がありました。爬虫類以外の生き物の体も観察してみたいという希望も、今後の企画を考える際の参考にします。
実習を支えてくださった皆さま
今回の実習は、昆虫食倶楽部の夏目先生が全体を取りまとめ、株式会社 自然回復の三根先生が専門的な指導を担当してくださいました。また、会場を提供してくださった浜松聖星高等学校の皆さまにも、準備や当日の進行にご協力いただきました。
専門家と学校、参加家庭が一緒になったことで、通常の教室だけでは難しい学びの機会をつくることができました。ご協力いただいた皆さまに、改めてお礼申し上げます。
この実習について詳しく知りたい方へ
アカミミガメ解剖実習の学習目的や、外来種について学ぶ意義は、常設の実験ページでまとめています。
アカミミガメ解剖実習|外来種と体のつくりを学ぶ理科体験
アカミミガメの解剖を通して、外来種と生態系、カメの体のつくりを学ぶサイエンスデイズの理科体験。実習の目的や学べること、安全・倫理面への配慮を紹介します。
サイエンスデイズでは、今回の解剖実習のように、実物を自分の目で見て、自分の手で確かめる体験を大切にした理科実験教室を行っています。興味のある方は、ぜひ一度体験にお越しください。
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この実験の教育目的やカリキュラムの詳細は、「アカミミガメ解剖実習|外来種と体のつくりを学ぶ理科体験」をご覧ください。