自由研究は、自分で「なぜ?」を見つけて、自分の手で確かめる勉強です。答えが決まっている問題集とちがって、何を調べるかも、どう調べるかも自分で決めます。だからこそ難しく感じますが、進め方には決まった型があります。
このページでは、小学5年生から中学生くらいの人に向けて、理科の自由研究を「テーマを決める」「準備する」「実験する」「まとめる」の4つのステップで説明します。お子さんの自由研究を見守る保護者の方にも役立つよう、つまずきやすいところや、手伝い方のヒントも書いています。
理科の自由研究は4つのステップで進める
- テーマを決める:調べたい「なぜ?」を1つにしぼる
- 準備する:予想を立て、何を変えて何を測るかを決める
- 実験する:くり返し実験し、その場で記録する
- まとめる:決まった型にそって、結果と考えを書く
夏休みに取り組むなら、最初の1週間でテーマを決めて準備し、次の2週間ほどで実験、最後の1週間でまとめる、という配分が目安です。実験は思ったとおりにいかないことが多いので、実験をやり直せるだけの日数を残しておくことが、いちばん大切なコツです。
ステップ1:テーマを決める
よいテーマは「調べる範囲がしぼれていて、結果を比べられるもの」です。「宇宙について」「電気について」のような大きなテーマは、本やインターネットで調べたことを書き写すだけになりがちです。
| テーマの例 | |
|---|---|
| 広すぎる | 「コマについて調べる」 |
| しぼれている | 「コマの軸の長さを変えると、回る時間はどう変わるか」 |
テーマを決めるときは、次の4つを確かめてみましょう。
- 身近な「なぜ?」から始まっているか:ふだん不思議に思ったことは、研究を続ける力になります
- 変える条件が1つにしぼれるか:「糸の長さ」「水の温度」など、何を変えて比べるのかをはっきりさせます
- 結果を数字や写真で残せるか:「回った秒数」「とけた量」のように、比べられる形で記録できると考察が書きやすくなります
- 期間内に、安全にできるか:火や刃物、電気を使う実験は、必ず大人と一緒に行います
サイエンスデイズで紹介している自由研究のテーマ
どれも身近な材料でできるテーマです。記事では、作り方だけでなく、条件を変えて調べるアイデアも紹介しています。
-
ペーパークロマトグラフィー
1色に見えるペンのインクに、どんな色が混ざっているか
材料:水性ペン、コーヒーフィルター、コップ、割りばし
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ミョウバンの結晶づくり
水の温度によって、とける量がどう変わるか
材料:ミョウバン、水
お湯を使う -
ぶんぶんゴマ
紙の厚さ・糸の長さ・形で、回り方がどう変わるか
材料:方眼用紙、タコ糸、のり、コンパス
穴あけは大人と -
画用紙のコマ
コマの作り方を変えると、回り方がどう変わるか
材料:画用紙、つまようじ、セロハンテープ
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水と油の実験
混ざったように見えた水と油が、どう分かれていくか
材料:水、ベビーオイル、絵具、ふた付き容器
大人がそばで見守る -
蛇玉(へび花火)
砂糖と重曹が燃えると、なぜ黒いへびのように伸びるか
材料:砂糖、重曹、燃焼用アルコール、砂
火を使う・必ず大人と -
シャープペンシルの芯の電球
どうすれば芯をより明るく光らせられるか
材料:シャープペンシルの芯、電源、みのむしクリップ、びん
電気・はんだ付け・必ず大人と
ほかのテーマは自由研究の記事一覧からご覧いただけます。
ステップ2:準備する(予想と計画を立てる)
テーマが決まったら、すぐに実験を始めたくなります。けれども、準備をしないで進めると、途中で「何を比べていたのか分からない」「記録が足りない」となり、やり直しが増えてしまいます。実験の前に、次のことを決めておきましょう。
- 研究の目的:何を知りたいのかを、1つの問いの形で書きます(例:「糸の長さを変えると、ぶんぶんゴマの回り方は変わるか」)
- 予想(仮説):結果がどうなると思うか、その理由と一緒に書きます。予想が外れても問題ありません
- 変える条件と、そろえる条件:変えるのは1つだけにして、ほかの条件は同じにします。これを「対照実験」といいます
- 記録すること:何を、どの道具で、どの単位で測るかを決めます
- 材料・道具と安全:必要なものをそろえ、危ない作業がないかを確かめます
変える条件を2つ以上同時に変えてしまうと、結果が変わった原因がどちらなのか分からなくなります。「変えるのは1つ、ほかは全部そろえる」が、理科の実験の基本です。
実験の準備で気をつけたいことは、次の記事でくわしく説明しています。
科学実験の進め方ガイド|準備からデータ分析までの基本
「実験を行ううえで意識してほしいこと」と「実験の進め方」についてのまとめです。計画的に実験を進めて、最後のまとめてにつなげていきましょう!
ステップ3:実験する(くり返して記録する)
実験では、安全に気をつけながら、その場で記録を残すことがいちばん大切です。あとでまとめて書こうとすると、細かい数字や気づいたことを忘れてしまいます。
- その日のうちに記録する:日付・条件・結果をノートに書きます
- 数字で記録する:「よく回った」ではなく「12秒回った」のように、測った値を書きます
- 3回以上くり返す:同じ条件で何回か実験し、平均を出すと結果が信頼できるものになります
- 写真を撮る:実験の様子や結果を写真に残すと、まとめるときに役立ちます
- うまくいかなかった結果も書く:予想と違う結果や失敗も、大切な記録です
予想と違う結果が出たときは、がっかりしなくて大丈夫です。「なぜ予想と違ったのか」を考えることは、自由研究でいちばん面白く、いちばん評価される部分です。まずは測り方や手順にまちがいがないかを確かめ、それでも同じ結果になるなら、その理由を考えてみましょう。
ステップ4:まとめる(型にそって書く)
自由研究のまとめ方には、決まった型があります。次の順番で書くと、読む人に研究の流れが伝わります。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| タイトル | 何を調べた研究か、ひと目で分かる題名 |
| 研究の動機 | なぜこのテーマを調べようと思ったか |
| 目的 | この研究で明らかにしたい問い |
| 予想 | 結果がどうなると思ったか、その理由 |
| 方法 | 材料・道具と、実験の手順(読んだ人が同じ実験をできるくらいくわしく) |
| 結果 | 記録した数字を表やグラフにしたもの。自分の考えはここには書かない |
| 考察 | 結果から分かったこと。予想と比べてどうだったか、なぜそうなったと考えるか |
| まとめ | 目的の問いへの答え |
| 参考にしたもの | 読んだ本やウェブサイト |
まとめるときに気をつけたいのは、次の3つです。
- 「目的」と「まとめ」を対応させる:目的で立てた問いに、まとめで答えます
- 「結果」と「考察」を分ける:結果には事実だけを、考察には自分の考えを書きます
- 年下の人が読んでも分かるように書く:専門的な言葉には説明をつけ、図や写真を使います
まとめる前に知っておきたいポイントは、次の記事でくわしく紹介しています。
理科自由研究をまとめる前に知っておいてほしい9個のこと
理科自由研究をまとめる前に知っておいてほしい9個のこと 1.研究と実験の違い 自由研究をまとめるにあたって、まずは実験と研究の言葉の違いを理解しておく必要があります。なんとなく意味が似てい…
よくある質問
テーマがなかなか決まりません
ふだんの生活で「なぜだろう?」と思ったことを、思いつくだけ書き出してみましょう。その中から、1つの条件を変えて比べられるものを選ぶと、自由研究のテーマになります。このページの「自由研究のテーマ」の表から選んで、自分なりに条件を変えてみるのもよい方法です。
実験が予想どおりにいかなかったら、失敗ですか?
失敗ではありません。予想と違う結果は、新しい発見のきっかけです。まず測り方や手順にまちがいがないかを確かめ、それでも同じ結果になるなら「なぜ予想と違ったのか」を考察に書きましょう。
工作は自由研究になりますか?
作るだけで終わると工作ですが、条件を変えて比べれば自由研究になります。たとえばぶんぶんゴマなら、糸の長さや紙の厚さを変えて、回り方がどう変わるかを調べられます。
保護者はどこまで手伝えばよいですか?
テーマの相談にのったり、材料の準備や、火・刃物・電気を使う作業を一緒に行ったりするのはよい手伝い方です。一方で、予想や考察は子ども自身の言葉で書くことが大切です。「どうしてそう思ったの?」と問いかけて、考えを引き出すことをおすすめします。
どのくらいの期間がかかりますか?
テーマによって違いますが、テーマ決めと準備に約1週間、実験に約2週間、まとめに約1週間をみておくと安心です。実験はやり直すことも多いので、日数に余裕をもって始めましょう。
理科をもっと楽しみたい人へ
自由研究をきっかけに理科が好きになったら、ふだんから実験できる環境を考えてみるのもよい方法です。習い事として理科を学ぶことに興味がある保護者の方は、次の記事も参考にしてください。