理科の自由研究のまとめ方|動機・目的・考察・参考文献の書き方

自由研究のまとめには、題名、研究の動機と目的、実験ごとの結果と考察、研究のまとめ、参考文献などを書きます。このページでは、それぞれに何を書けばよいかを、9つのポイントで説明します。

例として、「誰でも回しやすいぶんぶんゴマは、どんなつくりか」という研究を使います。ここで紹介する例文は、説明のために作ったものです。

学校から、まとめる項目・用紙・文字数などの指定がある場合は、その指定に合わせてください。このページの例文や文字数は、書くときの目安として使ってください。

理科自由研究をまとめる前に知っておいてほしい9個のこと

1.研究と実験の違い

回しやすいぶんぶんゴマを調べる研究の中に、紙の厚さ・糸の長さ・コマの形を確かめる三つの実験があることを示した図

一つの研究の中で、条件を一つずつ変えた実験を行います。

自由研究をまとめるにあたって、まずは実験と研究の言葉の違いを理解しておく必要があります。なんとなく意味が似ているような感じがしますが、実際には大きく異なります。

自由研究では、それぞれ次のような意味で考えるとよいでしょう。

【研究】疑問に思ったことを、実験や観察などを通して明らかにする取り組み
【実験】条件を決めて、予想が正しいかどうかを確かめる方法

つまり「研究」は疑問を明らかにする取り組み全体のことで、「実験」はそのための手段の一つです。

ぶんぶんゴマの例でいうと、「誰でも回しやすいぶんぶんゴマは、どんなつくりか」を明らかにするのが研究です。そのために、紙の厚さを変える実験、糸の長さを変える実験、コマの形を変える実験を行います。一つの研究の中に、三つの実験が入っていることになります。

研究と実験の関係を理解すると、研究の内容を整理し、読み手に伝わるようにまとめやすくなります。

2.初めて読む人にも分かるように書く

自由研究をまとめるときに一番心がけてほしいのは「小学3年生に見てもらってもわかる内容」にすることです。

もちろん、評価をしてくれるのは学校の先生方であり、本当に小学3年生に見せるわけではありません。

では、なぜ「3年生に対して見てもらってわかる内容」にしなければいけないのでしょうか。

自由研究を読む人は、みなさんの研究を初めて見ます。何を調べて、どんな結果になったのかが一度読んで伝わらなければ、たとえどんなにすばらしい研究内容であっても、その良さは正当に評価されません。

自由研究全体のまとめ方

3.自由研究の題名(タイトル)

ぶんぶんゴマの自由研究の目的を主題に、動機を副題に使って題名を組み立てることを示したイラスト

主題には研究の目的、副題には研究の動機を使うと、何を調べる研究なのかが伝わります。

研究内容を正当に評価してもらうために重要な要素のひとつが、自由研究の題名になります。

題名は、みなさんの研究を見るためのきっかけとなるところであり、入口部分でもあります。そのため、研究の中身を印象良く読んでもらうためには、審査をしてくれる先生方に「これはしっかりと読んでみたい!」と思わせるような題名が必要になります。

ではどんな題名であったならば、読んでみたいと思わせることができるでしょうか。もしその考え方がわからないようでしたら、以下の3つを意識するとよいでしょう。

1.題名と副題が書かれていること
2.一目で書かれていることの意味を理解できる題名
3.理解されたうえでどんな研究なのかが見当がつくような題名

では、どんなタイトルであれば一読で理解してもらい、かつ研究内容に見当がつく状態となってくれるのでしょうか。

そんな条件が課せられた題名と副題をゼロから考えるのは大人でもかなり難しいのです。

そこで、研究の目的を利用して主題を書き、研究の動機を利用して副題をまとめてみましょう。

可能であれば 研究の対象を主題もしくは副題の中に入れられるか考えてみましょう。

さらに疑問形のタイトルにするとより皆さんの研究内容が採点者の印象に強く残ります。

多少センスが必要となりますが、これで大きく外れたタイトルになることはなくなります。ぶんぶんゴマの研究なら、たとえば次のような題名が考えられます。

主題:誰でも回しやすいぶんぶんゴマは、どんなつくり?
副題:弟がうまく回せなかった理由を、紙の厚さ・糸の長さ・形から調べる

さて「題名は自由研究をまとめるときに、最初に書かなければいけないですか」という質問をよく受けます。これに関してはいろんな意見がありますが、個人的には題名は最後でもよいと考えております。

ただし題名がないと、まとめた内容が全体的に発散しがちです。これは、いわゆる羅針盤がない状態で、まとめるときの判断基準がないため、かなりの高確率で起きます。

題名は最後でもよいですが、いま自由研究をまとめるどの段階にいるのか常に把握しながら、まとめる作業を意識しましょう。

4.研究の動機

自由研究をまとめるときに、もっとも難しいのが研究の動機(どうき)をまとめることかもしれません。

そもそも動機という言葉をあまり見たことがないという人には、動機の意味が分からないかもしれません。

また分かったとしても「研究の動機」と「研究の目的」の違いがよくわからないという人を多く見かけます。

研究の動機とは「どうしてその研究を行いたいと思ったのか、その理由」です。数ある研究テーマの中から、そのテーマを選んだ理由を書きます。

動機には、実際に気になったことを、そのまま書きます。サイエンスデイズの授業では、まず普段の生活の中で疑問に思うことのうち、自由研究で調べられそうなものを三つほど挙げてもらい、その中から研究するテーマを決めています。

ただし、次のようなテーマは扱うのが難しいため、授業では別のテーマに変えてもらっています。

  • 変えて比べられる条件が少ないテーマ
  • 自分の力では取り組めないテーマ(たとえば核融合のような研究)

動機の書き方は、研究を決めたきっかけによって少し変わります。ぶんぶんゴマの研究で、三つの場合の例を挙げます。

普段の生活の中で気になった場合

工作で作ったぶんぶんゴマを、弟は何度やってもうまく回せなかった。同じように作ったのに、回せる人と回せない人がいるのはなぜだろうと思った。

インターネットで見つけた研究を選んだ場合

インターネットには、自由研究の例がたくさん載っています。その中から選んだときは、たくさんある研究の中で、どうしてその研究が気になったのかを書きます。

自由研究のテーマを調べていて、ぶんぶんゴマの回し方を質問している人が多いことを知った。作り方は簡単なのに、うまく回せない人が多いのはなぜだろうと気になった。

選んだ理由が「楽そうだから」「簡単そうだから」のときは、動機を書く前に、ほかの研究を考えてみましょう。授業でも、そのような理由のときは違う研究内容を考えてもらっています。

去年の研究を続ける場合

2年目に同じテーマを続けるときは、去年の研究のどこを、なぜさらに調べたいと考えたのかを書きます。

去年は紙の厚さを変えて回しやすさを調べたが、糸の長さは調べきれなかった。糸の長さを変えると回しやすさがどう変わるのかを確かめたいと考えた。

研究の動機は、200文字程度で書けるとよいでしょう。

5.研究の目的

弟がぶんぶんゴマを回せなかったという研究の動機と、回しやすいつくりを調べたいという研究の目的を対比したイラスト

動機は気になったきっかけ、目的は明らかにしたいことです。

動機の次に、研究の目的を書きます。研究の目的とは、その疑問について何を明らかにしたいのか、何をどのように調べたいのかです。

【研究の動機】どうしてその研究を行いたいと思ったのか、その理由

【研究の目的】その疑問について何を明らかにしたいのか、何をどのように調べたいのか

目的は、動機と続けて一つの文章で書かれることもよくあります。その場合も、「なぜ気になったのか」と「何を明らかにしたいのか」の両方が入っているかを、読み返してみてください。

ぶんぶんゴマの研究なら、目的は次のようになります。

紙の厚さ、糸の長さ、コマの形を変えて、誰でも回しやすいぶんぶんゴマのつくりを明らかにする。

ここで書いた目的が、このあとの実験と、最後の研究のまとめの軸になります。研究のまとめでは、この目的に答えることになるからです。

6.各実験について

ここからは各実験についてのまとめを行っていきます。研究の目的に対して、どのようなことを調べようとしている実験なのか、どのような位置づけなのか、しっかりと理解したうえでまとめるとよいでしょう。

それぞれの実験にも目的があります。研究の目的が「全体で何を明らかにしたいか」なのに対して、実験の目的は「この実験で何を確かめるか」です。研究の目的に答えるために、どんな実験をして何を確かめるのかは、自分で考えます。ぶんぶんゴマの研究なら、三つの実験の目的は、たとえば次のようになります。

  • 紙の厚さの実験:重ねる紙の枚数を変えると、回しやすさがどう変わるかを確かめる
  • 糸の長さの実験:糸の長さを変えると、回しやすさがどう変わるかを確かめる
  • コマの形の実験:四角・丸・三角などに形を変えると、回しやすさがどう変わるかを確かめる

回しやすさを比べるには、何を見て判断するかを決めておきます。たとえば、同じ人が同じ回数だけ試して、うまく回せた回数を記録する方法があります。

実験ごとに、次の項目をまとめます。

  1. 実験の目的
  2. 実験の手順と方法
  3. 実験で使う道具
  4. 実験結果の予想
  5. 実験の結果
  6. 実験の考察

このうち、混ざりやすいのが結果と考察です。結果には、測ったことや見たことだけを書きます。考察には、その結果から考えたことと、予想と比べてどうだったかを書きます。「糸を短くしたら回しにくかった」は結果で、「なぜ短いと回しにくいのか」を自分で考えて書いたものが考察です。

次は、結果と考察の書き分けを示す作例です。回数は説明のための仮の数値で、実際の実験結果ではありません。

結果の作例

同じ人が各条件で5回ずつ試した。糸の長さが20cmのときは2回、30cmのときは4回、コマを回せた。

考察の作例

糸を短くすれば回しやすくなると予想したが、今回の結果は逆だった。この人と条件では、30cmの方が回しやすい可能性がある。ただし、ほかの人でも同じ傾向になるかは、まだ確かめていない。

実験の進め方や記録のとり方は、次の記事でくわしく説明しています。

7.研究のまとめ

実験ごとに書く結果と考察、研究全体の目的に答えるまとめの違いを示した図

結果と考察は実験ごとに、研究のまとめは全体の目的に答えるように書きます。

研究のまとめを書き始めるときに最も注意してほしいのが、「研究の目的」に対してしっかりと答えた内容を書くということです。

「研究の目的」とは「誰でも回しやすいぶんぶんゴマは、どんなつくり?」といった質問みたいなものです。そして「研究のまとめ」は「紙の厚さと糸の長さと形をこうすれば、回しやすいぶんぶんゴマになるよ!」と、質問に対しての回答となります。

であるにもかかわらず「誰でも回しやすいぶんぶんゴマは、どんなつくり?」という質問に対して「牛丼食べたいな。」といったように、正しく受け答えが出来ていないような「研究のまとめ」をしている人は多くいます。

考察とまとめの違いも、ここで押さえておきましょう。考察は、一つひとつの実験の結果から考えたことです。研究のまとめは、すべての実験の結果と考察をふまえて、研究の目的に答えるものです。答えるときは、自分が調べた人や条件の範囲で分かったことを書きます。ぶんぶんゴマの研究なら、試してもらった人やコマの条件の中で言えることを書き、調べていない人にまで当てはまるとは書きません。

研究全体のまとめは、たとえば次のような形で書けます。

紙の厚さ・糸の長さ・形を比べた結果、今回調べた人と条件の範囲では、〔目的への答え〕が分かった。〔確かめられなかったこと〕は、次の課題として残った。

〔 〕には、すべての実験の結果と考察をふまえて、自分の研究に合わせて書きます。

実験を進めていく中で、どうしてもひとつひとつの実験に意識が向かってしまい、全体像が見えなくなってしまうのは致し方ありません。

あらためて、そもそもの研究の目的はどういったものであっただろうかを思い出し、行った実験結果と考察をよく見ながら、目的とまとめの内容がしっかりと結びついている書き方をしましょう。

8.次回の研究に向けての課題

毎年自由研究のアドバイスをしているからでしょうか。「この研究は今回限りだから、研究の課題が書けない!」と悩んでいる人が多くいることに気づきました。

そのように悩んでいる児童生徒に話を聞くと「来年は違う研究をしたいから。」といった返答が返ってきます。

どうやら、ここで課題として書いたことを来年に行わなければいけない、と考えているようです。

しかし「次回の研究に向けての課題」というのは実際にもう一回同じ研究を行うかどうかを聞いているわけではありません。「限られた時間の中でここまでは出来た、だけどここからは出来なかった。よって次回の課題とする」もしくは「今回研究を進めたことで、新たな疑問ができた。よって次回の課題とする」そういったことをまとめればよいのです。

もし次の年も同じテーマを続けることになったら、ここに書いた課題が、そのまま研究の動機になります。

9.参考文献

自由研究の参考文献に書く本の著者・タイトル・出版社・発行年・読んだページと、ホームページのタイトル・URL・見た日を比較した図

参考文献には、読んだ人が同じ資料を探せる情報を書きます。本とホームページで記録する項目を確認しましょう。

参考文献とは研究をまとめるために読んだ本やホームページのことです。読んだ人があとで同じ資料を探せるように、次のことを書いておきましょう。

  • 本の場合:著者、タイトル、出版社、発行年、読んだページ
  • ホームページの場合:ホームページのタイトル、URL、見た日

たとえば、次のように書きます。

著者名『本のタイトル』出版社名、2024年、12〜15ページ
ホームページのタイトル、URL(2026年8月1日に見た)

ホームページは、あとで内容が変わったり、なくなったりすることがあります。そのため、いつ見たのかも書いておきます。

自由研究の進め方を学ぶには

テーマの決め方から実験、まとめまでの全体の流れは、次のページで説明しています。

浜松市の理科実験教室サイエンスデイズでは、小学4年生から毎年、自由研究の進め方を授業で学んでいます。研究と実験の違い、テーマや目的の考え方、結果と考察のまとめ方を、ワークシートを使って学びます。5・6年生は自由研究の発表会、中学生は自由研究コンテストへの応募や研究の発表にも取り組みます。

この記事を書いた人

林田 亮のアバター 林田 亮 サイエンスデイズ代表

1984年浜松市生まれ。
静岡大学工学院工学研究科修了。大学院では、システム工学の立場から、人工衛星の軌道に関わるシミュレーションの研究に取り組んだ。
2012年にサイエンスデイズを創設し、年長から中学生までの子どもたちに理科実験と自由研究を教えている。

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