はんだごてを使って「みのむしクリップ」を自分の手で作る——この工作は、道具の使い方を覚えながら、電気回路の仕組みを体でつかむ授業です。浜松市のサイエンスデイズでは、中学年(3〜4年生)を対象にこの工作を取り入れています。
みのむしクリップ工作とは、はんだごてで金属部品を固定し、電気を通すクリップを手作りする工作です。完成したクリップで豆電球を点灯させることで、電気回路の「つながり」を体験で確かめます。
なぜ「みのむしクリップ工作」を授業に取り入れているのか
はんだごてって、小学生には難しすぎませんか?
「難しそう」と感じるからこそ、取り入れています。
日常生活の中で、子どもたちが本物の工具を手にする機会はほとんどありません。はさみや定規とは違い、はんだごては正しく扱わないと危険な道具です。だからこそ、使い方を学ぶ意義があります。
サイエンスデイズがこの工作を選んだのは、「作る」と「確かめる」が一つの授業の中で完結するからです。クリップを完成させるだけでは終わらず、豆電球で動作確認をするという検証のステップが組み込まれています。手を動かして作り、自分で試して確かめる——この流れが、理科的な考え方の入口になります。
この工作で育つもの
この工作で子どもたちが経験するのは、次のようなことです。
まず、道具には「正しい使い方」があるということ。はんだごては先端が非常に高温になるため、持ち方・置き方・使い終わった後の扱いまで、手順を守ることが安全につながります。これは学校の理科実験では教わりにくい、実践的な知識です。
次に、うまくいかなくても試し続ける経験。はんだが思う場所に流れなかったり、部品の固定角度がずれたりすることは普通に起きます。それを「失敗」として終わらせず、「どうすればうまくいくか」を考えて再挑戦する——この繰り返しが、粘り強さと問題解決の姿勢を育てます。
そして、自分で作ったものが実際に機能する達成感。電球が光った瞬間、それは「クリップが正しく作動した証拠」です。成功体験が目に見える形で現れることが、次の学びへの自信につながります。
中学年(3〜4年生)へのアプローチ
この授業は2回シリーズで構成しています。
1回目は、みのむしクリップの構造と仕組みを理解するところからスタートします。「なぜこの形なのか」「どこが電気を通す部分なのか」を確認してから、初めて道具を手に取ります。作り方の手順を覚えることより、「なぜそうするのか」を先に理解することを大切にしています。
2回目は、理解した内容をもとに実際の組み立てに取り組みます。前回の確認があるぶん、迷わず手を動かせる場面が増えます。
中学年は、手先の操作が少しずつ安定してくる時期です。はんだごてのような「精度が求められる道具」に挑戦するのに、ちょうど良いタイミングだと考えています。
学校の学習とのつながり
小学3年生から理科の授業が始まり、4年生では電気のはたらき(乾電池と回路)を学びます。みのむしクリップは、その単元で実際に使う道具のひとつです。
学校でみのむしクリップを配られたとき、「自分で作ったことがある」という経験は、道具への理解の深さが違います。「電気が通る=回路がつながっている」という概念が、体験の記憶と結びついているからです。
この授業は学校の予習にも復習にもなりますが、どちらかというと「道具と電気への親しみ」を早めに育てておくことを目的としています。
実際の授業の様子
この工作につながる授業
みのむしクリップ工作で身につけた技術は、次の授業でさらに応用できます。
シャープペンシルの芯が光る!?|身近な素材で学ぶ電気の授業|浜松市のサイエンスデイズ
シャープペンシルの芯に電気を流して光らせる実験です。みのむしクリップで芯を固定し、試行錯誤しながら発光を確かめます。身近なものを工夫して使う力を育てる、浜松市サイエンスデイズの工作授業。
体験授業のご案内
サイエンスデイズでは、浜松市内で理科実験・工作の体験授業を行っています。みのむしクリップ工作のほかにも、道具を使いながら科学の仕組みを学ぶ授業を多数ご用意しています。
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