自然現象の解説

蛍石ってどんな石?

1.蛍石ってどんな石?

蛍石

蛍石の名前の由来

蛍石

石というとあまり面白味がないと感じる方も多い印象を受けます。

そんな中、今回紹介する蛍石は他の石とは少し違います。

まずイラストのように見た目がとてもきれいです!

白黒の単色ではなく、緑色や青色、紫色のものまであります。

本当にきれいなものは宝石としても用いられるようです。

さらに、ブラックライトを照らしてあげると光るとは当然として、加熱することによっても青白く光り出すなんとも不思議な石です。

ちなみに蛍石という名前の由来はこの光っている様子から来ているようです。

でも「蛍」石と言われるぐらいに、本当に青白く光るのでしょうか?

実験を通して確認をしてみましょう!

2.いろんな方法で光る蛍石

まずはブラックライト照らすことで本当に光るのか確認をしてみます。

ブラックライトで光る蛍石

光を照らしただけで蛍石が光るって本当なのかな?

実験で使用した蛍石

手元に透明なもの、少し緑色になっているもの、紫色の蛍石がありましたので、一般的な395nmのブラックライトの光を照らしてみました。

すると、真ん中の緑色の蛍石が強く輝きだしました!

蛍石に395nmのブラックライトの光を照らした実験結果

紫色の光を照らしているのに、緑色に強く発光することになんとも不思議な感覚を覚えます。

そんな中、すべての蛍石がブラックライトに反応するかというそうでもないです。

もしかしたらブラックライトの波長が長かったのかもしれません。

そこで、先ほどよりも波長が短い344nmのブラックライトを同じ蛍石に照らしてみました。

蛍石に344nmのブラックライトの光を照らした実験結果

真ん中にある緑色の蛍石はひとつ目のブラックライトより強く発行していますが、先ほど発光しなかった2つの石は今回も発行することがありませんでした。

どうやらすべての蛍石がブラックライトの光で発光するかというと、そうでもないようです。

蛍石はブラックライトの光に反応するよ!
だけどすべての石がそうではないみたい。

加熱で光る蛍石

石を加熱させて光るってどういうことだろう?

次に蛍石を加熱することで本当に発光するのか調べてみました!

蛍石を加熱したときの様子

実際に加熱しているときの様子がこちらです!

鉄などは加熱すると赤く輝きだしますが、そういった輝きとはまた違います。

【蛍石の加熱実験をしている様子】

蛍石を加熱し続けていくと、どんどん細かく分解がされていき、最後にはすごく細かくなります。

その後も加熱を続けてみましたが、最後はまったく光る様子がありませんでした。

蛍石を加熱し続けた結果

一度光るとその後どんなに温めても光らないようですね。残念。

ブラックライトでは加熱でも強い発光を確認できた!
蛍石という名前にも納得だね!!

3.私たちの生活に欠かすことができない"かもしれない"蛍石

蛍石が生活に欠かすことができないってどういうことだろう?

石そのものとして見ていて飽きない蛍石ですが、私たちの生活に欠かすことができない"かもしれない"石でもあります。

蛍石の化学式

その理由について説明するために、まずは蛍石の化学式について学んでおきましょう。

蛍石の中には他の元素や不純物が混ざっていますが、主成分がフッ化カルシウムという物質です。

化学式ではこのように書きます。

さて、ここで重要なのは、蛍石の中にフッ素が含まれているという点と、濃硫酸との反応でそのフッ化水素を得られる点です。

蛍石の中に含まれているフッ素

少し話はそれてしまいますが、フッ素は私たちの生活の多くの場面で使われている物質のひとつです。

例えば、夏場に使うエアコンの冷媒にもフッ素化化合物が使われていますし、スマートフォンの中に入っている半導体を作るためにもフッ素化合物は欠かすことのできません。

加えて、歯磨き粉にも含まれているぐらい、私たちの生活に浸透しています。

そんなフッ素ですが、単体では他の物質と反応を起こしやすく、保管しておくことが非常に難しいです。

そのフッ素を安全な石として保管できるという意味で、間接的に蛍石は私たちの生活にとって大切な石であると言えます。

蛍石の中に含まれているフッ素が重要だということだね!

4.まとめ

見ていても実験に使っても楽しい蛍石ですが、その一方でフッ素を含んでいる点でとても大切な石であることが分かりました!

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