ビー玉4個で、逆さに立ち上がるこまが作れる?
3個のビー玉を下にして回したのに、勢いよく回すと姿勢が変わり、1個のビー玉を下にして立ち上がることがあります。これは「ビー玉の逆さごま」と呼ばれる科学工作です。
主な材料は同じ大きさのビー玉4個です。組み立てには熱くなるホットボンドを使います。園児は色選びや観察を中心に、小学生は大人がすぐそばで見守りながら、ホットボンドで接着する体験にも挑戦できます。
ビー玉の逆さごまとは?
同じ大きさのビー玉4個を、三角すいのような形につないだこまです。3個のビー玉で三角形の土台を作り、その中央に4個目をのせます。
完成したこまを3個のビー玉が下になる向きで回すと、こまが傾きながら回り、うまくいけば1個を下にした姿勢へ変わります。低い姿勢から高い姿勢へ立ち上がるように見えるところが、この工作の面白さです。
ただし、毎回必ず立ち上がるわけではありません。ビー玉の大きさ、接着した位置、床の滑りやすさ、回す速さによって動きが変わります。その違いも観察してみましょう。
用意するもの
- 同じ大きさのビー玉:4個
- ホットボンド(グルーガン)とグルースティック
- 汚れてもよい作業マット
- 色鉛筆と紙:観察した形や色を描く場合
色の違うビー玉を使うと、回転中にどの色がどのように見えるか比べやすくなります。一方、ビー玉の大きさはそろえてください。大きさが違うと全体のバランスが崩れやすくなります。
安全のために
ホットボンド本体、ノズル、溶けた接着剤は高温になります。園児と作る場合は大人が接着してください。小学生は、製品の対象年齢と説明書を確認し、大人がすぐそばで見守りながら使いましょう。初めて使うときは、大人が持ち方と熱くなる場所を見せ、少量ずつ接着するところから始めます。
ビー玉の逆さごまの作り方
1.ビー玉を2個つなげる
ビー玉2個の接する部分にホットボンドを付けます。園児と作る場合は大人が行い、小学生は大人が横で見守りながら挑戦してみましょう。ずれないように支え、接着剤が冷えて固まるまで待ちます。
2.3個目を加えて三角形にする
つないだ2個の横に3個目を置き、3個が同じ面に接する三角形を作ります。それぞれの接点をホットボンドで固定し、しっかり冷まします。
3.4個目を上にのせる
三角形に並べた3個の中央に、4個目のビー玉をのせます。下の3個すべてに触れる位置を探し、接する部分をホットボンドで固定します。
4.完全に冷まして接着を確認する
ホットボンドが完全に冷えてから、大人が4個のビー玉を軽く動かし、外れそうな部分がないか確認します。緩みがあれば回さず、大人が接着し直してください。
回し方と観察のポイント
回し方のポイント
完成したこまの上側にあるビー玉1個だけを、親指と人差し指でつまみます。こまを机からほんの少し浮かせ、指先をひねって回転をつけてから、平らな場所へ置くように手を離します。机に置いたままひねるよりも、回転をつけやすくなります。
3個をつないだ作成途中の状態では回しません。必ず4個目を固定し、ホットボンドが完全に冷えたことを大人が確認してから回してください。
観察のポイント
最初から成功だけを目指すより、次の順番で見ると変化を見つけやすくなります。
- 回す前は、いくつのビー玉が床に触れているか
- 回し始めると、こまがどちらへ傾くか
- 速く回っているとき、下にあるビー玉はいくつか
- 止まりかけると、姿勢がどう変わるか
- 4色のビー玉は、回転中にどのような色に見えるか
回す前と回している途中の形を絵にすると、「見たつもり」だった部分にも気づけます。園児には色や形の違いを話してもらい、小学生には回した回数や成功した条件を記録してもらうと、年齢に合った観察になります。
回転が安定すると、下側の1個を軸にして立ち上がり、上側の3個が輪のように見えることがあります。写真では、上側のビー玉が回転で少しぶれて写っており、止まっているときとの違いが分かります。
どうして逆さに立ち上がるの?
回転している物体には、回転の軸の向きを保とうとする性質があります。しかし、実際のこまは床に触れているため、床との間に摩擦が働きます。
ビー玉の逆さごまでは、回転と摩擦の組み合わせによって、床に触れる場所と回転軸の向きが少しずつ変わります。その過程で、回転していた力の一部を使いながら重心が高い位置へ移り、3個で支えていた姿勢から、1個で支える姿勢へ立ち上がることがあります。
細かな動きは複雑ですが、観察するときは「回転の速さ」「こまの傾き」「床に触れているビー玉の数」の3点に注目すれば十分です。床が滑りすぎても、反対に抵抗が大きすぎても、うまく立ち上がらないことがあります。
「遠心力だけで立つ」と考えるより、回転するこまに床との摩擦が働き、姿勢が変わると捉えるのがポイントです。
園児・小学生と楽しむための役割分担
子どもの年齢や経験に合わせて、大人が担当する工程と、子どもが挑戦する工程を分けましょう。園児と作る場合は大人がホットボンドを扱います。小学生なら、大人がすぐそばで様子を見ながら、接着にも積極的に挑戦してもらいましょう。自分で道具を使う経験も、この工作の大切な学びです。
大人が行うこと
- ホットボンドの説明、電源管理、作業後の片付け
- 子どもの年齢や経験に合わせ、必要なところを手伝う
- 接着剤が完全に冷えたことの確認
- ビー玉が外れないか、遊ぶ前後に点検する
- ビー玉が飛び出さないよう、遊ぶ場所を整える
園児・小学生が楽しめること
- 4個のビー玉の色を選ぶ
- 小学生は、大人に見守ってもらいながらホットボンドで接着する
- どのように回るか予想する
- 完成したこまを大人と一緒に回す
- 回す前と回している途中を見比べる
- 見えた形や色を絵に描く
- 回し方や場所を変え、成功しやすい条件を記録する
安全上の注意
ビー玉は小さく、誤飲や窒息につながるおそれがあります。口に物を入れる癖がある子には、この工作は行わないでください。小さなきょうだいがいる家庭では、作業中だけでなく、保管場所にも注意が必要です。
また、ガラス製のビー玉は、強くぶつけたり落としたりすると欠けることがあります。欠けやひびが見つかった場合は使用を中止してください。
- 園児の接着は大人が行い、小学生が使うときは大人がすぐそばで見守る
- ホットボンドの対象年齢と説明書を確認し、ノズルや溶けた接着剤に触れない
- 接着剤が完全に冷えるまで触らない
- 遊ぶ前後に、接着の緩み、ひび、欠けを大人が確認する
- 机の端を避け、周囲の壊れやすい物を片付けてから回す
- 遊び終わったら、子どもの手が届かない場所に保管する
消費者庁にも、5歳の子どもがビー玉を誤飲した事故が報告されています。詳しくは「おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意!」をご確認ください。
うまく立ち上がらないときは
ビー玉の大きさと位置を確認する
4個の大きさがそろっているか、下の3個が三角形になっているか、上の1個が中央にあるかを見ます。接着剤が一方に大きく偏っている場合も、回転が不安定になります。
上の1個をつまみ、少し浮かせてから回す
机に置いたまま回そうとすると、指が机に当たり、十分な回転をつけにくいことがあります。上側のビー玉1個だけをつまみ、こま全体をほんの少し浮かせてから指先をひねり、平らな場所へ置くように離してみてください。
園児や小学校低学年では、指先だけで十分な回転をつけにくい場合があります。大人が最初にゆっくり見本を見せたり、子どもの手に添えて一緒に回したりすると、動かし方をつかみやすくなります。
少し速く、まっすぐ回してみる
回転が遅いと、姿勢を変える前に止まってしまいます。上のビー玉をまっすぐつまみ、軸を大きく傾けないように回してみてください。強く押しつける必要はありません。
回す場所を変えてみる
表面の違う机やマットで試すと、摩擦の違いによって動きが変わります。狭いトレーの中では狙った位置へ置きにくくなるため、まずは周囲を片付けた平らで広めの場所で試してください。
よくある質問
必ず逆さに立ちますか?
必ず立つとは限りません。4個のバランス、接着位置、回転の速さ、床との摩擦によって結果が変わります。立たなかったときも、傾き方や止まり方を観察すると立派な実験になります。
子どもがホットボンドを使ってもよいですか?
園児と作る場合は、大人がホットボンドを扱ってください。小学生は、製品の対象年齢と説明書を確認したうえで、大人がすぐそばで見守りながら使えます。最初に大人が見本を見せ、ノズルや出した直後の接着剤が熱いことを伝えてから、少量ずつ接着してみましょう。
2個のビー玉と輪ゴムで作るこまと同じですか?
どちらも「ビー玉ごま」と呼ばれることがありますが、作り方と動きは異なります。この記事で作るのは、4個をホットボンドで固定し、回転中の姿勢の変化を観察する「ビー玉の逆さごま」です。
まとめ
ビー玉の逆さごまは、4個のビー玉をつないだシンプルな形から、予想外の動きが生まれる科学工作です。回す前、回り始め、速く回っているとき、止まりかけの姿勢を順番に見ると、回転と摩擦の働きを観察できます。
大人が安全を確認しながら、園児には色選びや回転・観察を、小学生にはホットボンドによる接着から記録まで、年齢に合った体験を任せてみてください。うまく立ち上がらない結果も含めて、「どうしてだろう」と一緒に考える時間が、この工作のいちばん大切な部分です。